直接の原因
直接の原因は地震による停電がきっかけです。この停電によって原子炉圧力容器内に冷却水を送るポンプが作動しなくなり、ディーゼルエンジンによる非常用電源に切り替わりました。しかし、ディーゼルエンジンも作動しなくなり、冷却水が全く送れなくなりました。これが想定外となって炉心を冷やせなくなり、原子炉圧力容器内の水量が蒸発によってどんどん減少しました。
地震発生時に制御棒が自動的に挿入されたため、核分裂の連鎖反応は継続して連鎖反応が生じる「臨界」から核分裂が連鎖しない「臨界未満」となり、いわゆる原子炉の緊急停止状態となりました。しかし燃料棒は、核分裂が終焉した後も、それまでに核分裂を起こした後の分裂片の崩壊熱があり、超高熱状態が長時間継続しています。この燃料棒を冷やす冷却水が不足したため炉心の熱が下降しなくなりました。
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